私の主治医はお兄ちゃん
優「薬が効いてくれば熱は下がると思うよ。俺らは先に晩飯食べちゃおうか。」
処置が終わった兄貴は立ち上がって言った。
美「……」
湊「美音?」
黙って動こうとしない美音に声をかけると
美「もう少しここにいたい。」
と言った。
俺の予想足を滑らせたのは美音。
それを咄嗟に庇った駿介。
そして寒がる美音に駿介はきっと自分のパーカーを羽織らせたんだろう。
それは駿介の気持ちで動いたこと。
本当だったら美音が責任を感じる事はないけど…
……そうもいかねぇよな。
そんな美音に対して兄貴は口を開いた。
優「美音、どうして駿はこうなったんだと思う?」
美「それは…私がいけなくて……グズン」
優「誰も悪くないよ。駿が美音に怪我させたくない、体調を崩して欲しくない。そう思ってした事だと思うな。」
美「でも…」
優「そこまでして美音が体調悪くならないようにってしてくれたのに美音が食事を摂らないで体調崩したら駿がどう思うかな?」
美「嫌な気持ちになっちゃう。」
優「じゃあ今美音がするべき事は分かるよね?駿の側にいてあげるのはそれからでもいいんじゃない?」
兄貴がそこまで言うと美音は少しだけ顔が明るくなりちゃんとご飯を食べると言ってくれた。