私の主治医はお兄ちゃん







優「そろそろBBQはじめんぞ~」


あれからしばらくして優也兄の声で始まったBBQ。



駿「美音~。早くこっち来いよ」


美「待って~今行く…って……あ…」



そこには私とお揃いで買った服を着ている駿介の姿があった。



駿「着るタイミング…かぶったな。」


美「そう…だね。」



そうだった。
いつもこーゆーのかぶるの。


別に今日が特別なんかじゃない…なのに…



なんか…
顔が熱い…


きっと今私の顔は真っ赤になってるんだろうな。



駿「ほら美音!早くみんなのとこに行くぞ。」

美「あ…駿介」


それからは静かに…でも少し強引に私の手を引っ張ってくれる駿介と連れられ、楽しみだった兄妹でのBBQが始まった。



お肉やお野菜をたくさん食べて
たくさんお話しして…


あっという間の瞬間。




きっと私のために計画してくれたんだろう。


お兄たちの優しさが嬉しくて…

温かくて……




美「………っ。」

気付けば私の頬を伝う温かい滴。


優「美音?」


違うのに…

悲しいわけじゃないのになぜか涙が止まらない…


心配して涙をぬぐってくれる優也兄。







駿「おい!」


美「…へ?…痛。」

そんな私を見てか駿介は頭をポンと軽くたたき


駿「花火やんぞ。」


そう言ってきた。


美「うん!やろっか!」


なんだか嬉しくて、楽しくておかしいや。私。



こんな泣くことじゃないのに…







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