私の主治医はお兄ちゃん

駿介side









新学期が始まった。

昨日は美音を苛めすぎたか。


馬、鹿って言ってバカだと気付かないのはアイツくらいだろうな、きっと。



アイツはちゃんと宿題出せただろうか。







女「……というわけで今年紅組の団長は神崎くんに決定しました。」



みんなが拍手をしてこちらを見ている。


駿「は!?」

男「駿介お前聞いてなかったのかよっ」

そう言ってケラケラと笑っているクラス。



駿「いや、団長とか……俺マジやらねーから!」


担「ま、決まったことだ。頼んだぞ。」


そう言って担任が俺の方をポンと叩いた。




聞いてなかった俺も悪いけど本人意思無視して決めるか?ふつう…



はぁ……











~放課後~


担「今日体育委員と、団長集まりあるから行くように。文化委員もだぞ~」




集まりって…

聞いてねーし。



優兄に検診くるように言われてたのに…


ま、そんな遅くならないだろうしいっか。




とりあえず俺は美音の教室に顔を出した。


駿「美音~」

美「あ!駿介!ごめん今日委員会あって…」



え…?美音も?

美音は文化委員だったらしく、同じ方向だったから途中まで一緒に行くことにした。


向かってる途中美音が明るく話しかけてきた。



美「あっ!駿介団長でしょ?」


駿「え…なんで知ってんの…なんか勝手になってた。」




俺が不貞腐れたようにそう言うと美音は「アハハ」と笑ってくれた。



美「でもいよいよ体育祭が近づいてるんだってワクワクするね!」


駿「そうか~?」

あんなの楽しみにすんのガキくらいだろ。


でもそう呟いた美音の目はなんだか輝いていた。




美音は体育祭出たことないもんな。







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