私の主治医はお兄ちゃん






あースッキリした。


私は用を足して洗面所で手を洗っていると知らない女子に声をかけられた。



女「神崎美音さん?」


美「そうですけど…」


女「ハチマキ交換してくれないかな?」


そう言ってその女子がつけていたハチマキを差し出してきた。

この人と私が?交換?ハチマキを?



私が不思議に思っているとハッと閃いた。



駿介の事…この人好きなんだ。





美「ごめん。これ私のじゃないから聞いてみないと……」


女「分かってんだよ。早く渡してくれないかしら。」


…急に口調が変わる女子達。


女「だいたいムカつくんだよね、お前。男子にもちやほやされて、駿介くんにも、あそこにいるイケメンなお兄さん達にも優しくされて。」

ちやほやなんてされてなければ駿介には特に優しいってよりかは意地悪だと思うんだけど……


美「何か誤解してるって。」


女「ハチマキなんて交換したってら兄妹だから実る事もないなんて可哀想に。」


何が実る?
なんかよくわからない。


美「本当誤解だよ?ってかそろそろ戻らないとだから私行くね。」



そう言って私が去ろうとするとその女子は思い切り手を振り上げた。



…叩かれるっ

一瞬にしてママのことがフラッシュバックしてきて私は身を屈めた。



パシンッ!ドンッ!!

強く叩かれる音と鈍い音両方が聞こえた。


でも不思議と体は痛くない。



瞑ってしまった目をゆっくりと開けてみるとそこには駿介が倒れていた。



< 146 / 296 >

この作品をシェア

pagetop