私の主治医はお兄ちゃん
私はもう駆血帯を巻かれ、消毒までされている。
駿介と湊斗兄に抑えられていて動かない体。
優「美音、少し力抜こうか。」
美「むりぃ…ヒック…」
私が泣きながらそう言うと湊斗兄が口を開いた。
湊「美音はさ、熱下がったらどこか行きたい場所ある?」
美「ヒック…」
湊「ん~俺は久しぶりにまたみんなで動物園でも行きたいかなぁ。美音は?」
美「美音は…」
湊「ん?どこ行きたい?」
美「私は…お買い物…」
湊「そっかぁ…何買うの?」
美「えっと…」
話に夢中になっていると左手に痛みを感じる。
美「いっ………ヒック」
優「美音~もう少し。」
美「痛い~抜いて~!!!…ヒック…」
ボロボロと流れてくる涙。
優「はいおしまい。よく頑張ったな。今点滴通したから。眠くなるだろうからしばらく寝てな。」
美「やぁ~…」
そう言って抵抗する私だったけど、睡魔には勝てずに、いつの間にか眠っていた。