私の主治医はお兄ちゃん
駿介side
優「はい。」
駿「え?」
突然俺に体温計を渡してきた優兄。
優「え?じゃなくて。測って。」
駿「う、うん。」
突然の事に訳がわからなかったけど、とりあえず優兄の言う通り熱を測る事にした。
ピピピピッ
優「見せて。」
駿「はい。」
ふと気になって自分の体温をちらりと見てみると38.6°Cあった。
優「俺が何を言いたいかわかるよね?」
駿「まじで俺気付かなくて。」
…本当気付かなかった。
そんな俺を見てため息をついた優兄は
優「お前も点滴打っていけ。」
…嫌だけどしょうがないか。
駿「分かった。」
俺の返事を聞くとすぐに準備を始めた優兄。
優「じゃあ駿先聴診な。」
駿「ん。」
優「お前も今は出てなくても喘息持ちなんだから気をつけねぇと。」
駿「わり。それどころじゃなくて。」
優「……ったく。あんま無茶すんなよ?はい、じゃあ腕出して。」
駿「ん。」
俺が腕を出すと優兄は素早く駆血帯を巻き針を刺す場所を見極めている。
優「ん……よし。ちょっとチクッてするよ。」
駿「えっ針太くね?」
優「美音はあんなだし血管も細いから針細くしてるんだよ。」
駿「じゃあこれが普通なんだ。」
優「あと1つ言っておくけど、お前手に力入りすぎ。怖いなら目逸らしとけ。」
駿「別にこわくねぇし。」
優「じゃあ刺すよ。」
そう言うとすぐに点滴の針を刺した。
駿「いっ……」
優「じゃあ、お前もここで少し横になりな。俺もう終わりだから着替えてまた来るよ。」
駿「分かった。」
そう言うと優兄は出て行った。