私の主治医はお兄ちゃん
優「じゃ、駿検査するから動かないでな。」
湊「俺も抑えてるから大丈夫。」
駿「ちょ、ちょっとまって!…ケホケホケホ」
少しビビってる様子の駿。
優「待たない。すぐ終わらせちゃお。」
そう言って俺が長い綿棒を鼻の奥まで入れると駿は辛そうに目をギュッと瞑った。
優「はい、終わり。熱も高いから寝てな。」
そう言って俺らは部屋を出た。
湊「駿は40.7°Cか…だいぶ高いな。」
廊下に出た瞬間そう呟く湊斗。
優「あぁ…一応結果が出たら点滴で様子見るけど下がらなかったら病院連れて行く。」
湊「だな…問題は美音だ。」
ごもっとも。
美音は毎年インフルにかかっている。
そしてこの検査をすごく嫌がる……
まぁしない訳にもいかないんだけど。
俺らは美音の部屋に行った。
美「グスン……ヒック……」
優「美音??」
美「やだぁ…ヒック」
何かを察しているのか既に号泣な美音。
湊「大丈夫。美音。泣くと辛くなっちゃうから1回落ち着こうか。深呼吸して。」
すぐに慰める湊斗。
美「痛いの…頭も痛いし……ヒック…体…痛いーっ…ケホケホッ…」
湊「痛いね。辛いよね。大丈夫だよ。すぐに楽にしてあげるからね。」
美「検査したくないっ……グスン」
…やっぱり分かってましたか。
まー毎年恒例だもんな。
優「美音ー?わがまま言わないの。じっとしていればすぐに終わるから。」
美「なんで痛い検査しかないの?…ヒック」
…だよな。俺もそう思う。
湊「うん。そうだよね。でも検査頑張ればお熱も下げてあげられるし、痛いのも治してあげられるよ。だから頑張らないとっ」
美「グスン…」