私の主治医はお兄ちゃん
次に目が覚めた時はそれまで寝ていたところと景色が違っていた。
全面真っ白で体のあちこちに繋がれている管。
駿「……っ」
そして口からも管が入っている事に気付いた。
上手く喋れそうにない。
すると隣から聞こえてきた声におれはハッとした。
美「駿介…起きたの?」
俺はその言葉にそっと頷いた。
すると美音がナースコールを押してくれてすぐに優兄が来た。
優「駿…本当良かった。今チューブ外すからな。しばらく呼吸辛いかもだけどゆっくりな。」
そう言って優兄はチューブを抜いてくれた。
でもその瞬間
ヤベェ…本当にうまく呼吸が出来ないっ
優「おい、駿落ち着け!」
そう言いながら背中をさすってくれる優兄のお陰でしばらくするとだいぶ楽になった。
優「ったく。まー駿は慣れてねぇもんな。」
そっか…いつも美音はこんな感じなのか。
やっと気持ちがわかってあげられた気がする…
駿「ねぇ、優兄…喉乾いた。」
そう言う俺に優兄はにっこりと微笑んでお水を持ってきてくれた。
優「駿!お前は全く心配かけやがってー!」
わしゃわしゃと思い切り俺の頭を撫で回した。
優兄の話によると俺はあの後2日目を覚まさなかったらしい…
俺はこんなことめったにないから自分でもびっくりだった。
優「駿、ちょっと診察するから。とりあえず熱測って。」
駿「うん。」
急に医者の顔になる優兄。
俺は優兄から体温計を受け取って腋に挟んだ。