私の主治医はお兄ちゃん
湊「大人しくもう寝ろ。」
駿「うん。」
湊「じゃ、俺行くから。」
そう言って病室から湊斗兄は出て行った。
寝ろと言われても…
昼間寝すぎたせいで眠れない…
でもまた出てって怒られても嫌だし…
何もできずにずっとぼーっとしているとスッと優兄が入ってきた。
優「喘息…おさまったか?」
そう言う優兄の声は美音を起こさないための配慮か小さい声だった。
駿「うん…」
優「お前湊斗にこってり絞られたらしいじゃん。」
俺の頭にポンと手を置いてニヤニヤとしながらそう言ってくる優兄。
駿「別に…」
俺はそっぽを向いた。
優「でも…相手の言い分も聞かずに怒るのはあいつの悪いとこだ。医者ならもっと患者の意見に首を傾けねぇとな?」
駿「??」
優「喉乾いてたんだろ?ほら。」
そう言って優兄はペットボトルの水を渡してくれた。
わかっててくれたんだ…
駿「優兄、ありがとう。」
優「おう!ちょっと診察させてな。」
駿「うん。」
俺が返事をすると優兄は聴診器をもって聴診を始めた。
優「ん~音が悪いな。吸入器で様子見ようか。」
そう言って優兄は吸入器を渡してくれた。
俺は吸入器を久しぶりに使った。
美音が使ってるのはよく見ていたけど…
やっぱりいつ使っても俺は苦手だ…
駿「ふぅ…」
優「頑張りました。じゃ、この薬飲んで寝な。」
そう言って優兄は錠剤を渡してきた。
なんだろう…この薬…
そう思いながらも俺がその薬を飲むと優兄は安心したように頭をポンとして部屋を出て行った。
そしてそのあとしばらくして襲ってきた眠気に負けて俺は眠ってしまった。