私の主治医はお兄ちゃん
目が醒めると真っ白な天井。
この景色もだいぶ見慣れた。
優也兄が運んでくれたのかな。
真っ暗だった外はもう明るくなっていて腕には点滴が繋がれていた。
美「………」
シンと静かな病室。
なんか不安ばかりが押し寄せてくる。
廊下に出たらだれかいるかな。
点滴台をカラカラと押しながら病室を出てみるけど……
誰もいない。
美「……ヒック」
しばらく廊下を歩くけど…
いつにも増して静かな廊下。
私はそのまましゃがみこんだ。
何故だか襲ってくる不安。
美「優也兄……グスン…」
すると突然後ろから声が聞こえて振り返ると優也兄が心配そうな顔で私をみていた。
優「美音?どした??」
美「優也兄っ……」
思わず私が抱きつくと驚いた顔をしていた優也兄はすぐに抱き返してくれた。
優「美音…怖い夢でも見た?」
そんな優也兄の質問に私は首を振りながら答えた。
美「ううん。誰も居なかったから不安になっちゃったっ!……ヒクッ」
優「寂しかったんだね。診察したいから病室戻ろ?」
優しい優也兄の声。
私はコクンと頷き、再び優也兄と病室へ戻った。