私の主治医はお兄ちゃん
本当にお化けが出てきそうな程の気味が悪いBGM。
呪われた廃病院がテーマのそのお化け屋敷は所々に患者や医者の格好をしたお化けが待ち構えていて追いかけてきたり、脅かしてきたりする。
うぅ…本当に怖い。
ダメだ。足が…震えてきて…
私は腰が抜けたようにぺたりとしゃがみこんだ。
駿「ちょ…美音!?………全くお前は…しょうがない妹だな。」
美「しゅんすけぇ…」
怖くて動けなくなってしまった私を抱き上げて駿介は前に進んだ。
駿「美音…終わったぞ。」
駿介はそう言いながら出口ぎりぎりで私を下した。
駿「もう歩けるか?抱かれたままだとお前も恥ずかしいだろ?さ、出るぞ。」
美「う、うん…」
ゆっくりと手を引いてもらって私は駿介と一緒に出口を出た。
女「駿介君!お疲れ様!!どぉどぉ?怖かった?」
駿「はい。迫力がありました。」
全然怖がってるようには見えなかったけど…
駿介は笑顔でそう先輩に言っていて、先輩が明らかに嬉しそうな顔をしているのが分かった。
駿介は本当に気が使えるなぁ…
そう思いながら私は駿介たちが話している姿をじっと見ていた。