私の主治医はお兄ちゃん





久しぶりの実家だ……


なんか緊張するかも。





私は持っていた鍵で玄関を開けて中に入った。






シンと静まり帰った実家内に駿介の咳が響きわたった。





聞こえるのは駿介の部屋からじゃない。




駿「ゴホッゴホゴホッ」


美「駿介??」



駿介の声の聞こえる方へ歩いて行くとキッチンに倒れている駿介の姿があった。






美「駿介!?」


駿「ゴホッゴホゴホッ…ゴホゴホゴホ…」


ひたすら苦しそうに咳をし続ける駿介。




どうしよう。

まだ朝の8時半すぎ。


湊斗兄が帰ってくるのもまだ何時間も先だ。




駿「ゴホゴホゴホッ……ゴホゴホッ」


そんな焦る気持ちとは裏腹に駿介の咳はどんどんと酷くなっていくばかり。



美「駿介っ!!大丈夫??」


咳をしながらもぐったりとしている駿介。



抱き上げようとしても、持ち上がりそうにはない。

それに……



駿介の体。

すごくあつい。







で、電話!!
優也兄に電話してみよう。





プルルルル…


優『美音!?どうした!?体調悪いのか!?』


美「優也兄……ヒック。駿介がねっ辛そうなの。でも…動かせなくてっ……ヒクッ」


優『美音、1回落ち着こうか。今から急いで向かう。大丈夫だから。な?』


美「うん…グスン。何か私に出来ることある?」


優『んーじゃあ質問に答えてもらおうかな。』



そう言っている優也兄は息を少し切らしていて、もう移動し始めている様子だった。




< 201 / 296 >

この作品をシェア

pagetop