私の主治医はお兄ちゃん
駿介side
駿「……」
目が覚めるとそこは病院のベッドだった。
腕に繋がれた点滴。
あれ?なんで俺ここに居るんだ?
優「起きたか?」
駿「優兄。俺どうやってここに?」
優「美音から連絡があって俺が迎えに行ったの。覚えてねぇ?」
駿「全く。」
優「まー熱と発作で意識が朦朧としてたしな。少し診察させてな。」
そう言うと優兄はいつも通り医者の顔になり診察を始めた。
優「大丈夫そうだな。点滴が効いてるだけだから無理はすんなよ?」
そう言って微笑む優兄。
すると突然優兄のPHSが病室内に響いた。
優「はい。神崎……あ、湊斗か。どした?……うん。美音なら家にいるだろ?」
そんな会話が聞こえてくる。
"美音"という単語が聞こえたからには反応せずにはいられない俺。
優「いない!??……いや、あいつ熱はないけど体調良くねぇし。……とりあえず俺も昼休憩入るから探すわ。」
そう言いながら優兄はPHSを切った。
駿「美音…どうかしたの?」
優「美音も体調そんなに良くねぇんだけどさ、10時頃帰ってまだ家にいないらしい。」
駿「いや、もう2時間ちょっと経ってるじゃん。」
優「うん……あ、駿は絶対安静だかんな?!」
何かを察したかのようにそう言う優兄。
駿「分かってるよ。早く行って。俺も心配だから。」
優「あぁ…わりぃな。行ってくる。」
優兄は部屋を出て行った。
ごめん。優兄。
こんな時にゆっくりベッドに横になってもいられねぇや。