私の主治医はお兄ちゃん
湊斗side
美音が集中治療室に入って今日で5日が経った。
俺はいつものように美音のベッドサイドの椅子に座ってずっと様子を見てる。
駿介はなんとか退院してあとは美音だけだ。
早く起きてくれよ、美音。
今日の午後から休み。
珍しく明日、明後日も休みだ。
今日仕事が終わったらまた美音の側にでも居ようか。
優「湊斗、またここにいたのか。」
湊「あぁ。心配でな。」
優「休憩中くらいちゃんと休め。お前飯ちゃんと食ってるのか?」
湊「うん。大丈夫。」
優「そっか。あんま無理すんなよ?」
湊「わかってるよ。」
そんな会話を兄貴とした。
正直、美音が心配でここ2〜3日まともに寝れてない。
そろそろ体力も限界になっていた。
すると握っていた美音の手がピクリと動いた。
俺が顔を上げるとゆっくりと美音が目を開ける。
湊「美音??分かるか?」
俺がそう聞くと美音は静かに頷いた。
優「美音……良かった。ちょっと診察するな?」
そう言って診察を始める兄貴。
そこで俺は緊張の糸がプツリと切れた気がした。
湊「やべ。俺そろそろ戻らねぇと。美音、また後でお話しような。」
そう声をかけて俺は病室を出て再び仕事へと向かった。