私の主治医はお兄ちゃん
駿介side
そのまま鈴木は行ってしまった。
あいつ……
ずいぶん柄の悪そうなバイク乗ってたみたいだけど……
そんな事を考えてると
グラン。
やべ。視界が…
優「駿?大丈夫か?」
駿「……うん。大丈夫。」
優「……。」
無茶しすぎたか。
俺と美音はそのまま病院に連れて行かれ、母さんは湊斗兄と家へ帰った。
明日になったら父さんが一時的に帰ってくるらしい。
そして戻ってきた病室では美音との2人部屋。
美音は意識がなくそのまま眠っている。
優「駿お前ちょっと熱計れ。」
駿「え…。」
優「無理してるのなんてバレバレだから。ほら、早く。」
そう言って体温計を渡してくる優兄。
……このまま隠してんのも無理あるか。
駿「分かった。」
優「あ、あと傷口縫合するから。そのつもりで。」
……まじかよ。
最悪だ。
そう思っているとすぐに体温計が鳴った。
優「見せて。」
駿「はい。」
優「37.9°Cかぁ。熱は高いが思っていたよりは低いな。これから上がるかもしれねぇな。」
……実は少し緩めに挟んでいた体温計。
もう少し低いかと思っていたけど…
まぁ38°C行ってなかっただけマシか。
優「じゃあ、縫合の準備してくるからここにいて。」
駿「うん。」
優「逃げんなよ?」
駿「逃げねーよ。」
逃げたい気持ちは山々ではあるけど…
流石にこれ以上は……恐ろしくてできない。