私の主治医はお兄ちゃん

悠真side






中学2年のクリスマスイブ。


俺は川沿いの道で高校生数人にリンチされていた。






その頃の俺は父親とも上手くいかずひどく荒れていた。




先輩からも目をつけられることは多くて…


その日もそんな類いだった。




男『てめぇ人の女に手出してんじゃねぇよ。』


悠『手なんて出してないっすよ。向こうが勝手に騒いでるだけなんじゃないんですか?』


男『はぁ!??ぶっとばされてぇのか!』




別に手なんて出していない。

女なんてめんどくせーし…

すぐ泣くし…



ただ本当に向こうが騒いでいるだけ。


俺はそーゆーのがめんどくさくて今まで誰とも付き合ったことはない。






いっそのことこのままボコボコに顔の原形がなくなるまで殴られればもう誤解はされないんだろうか。



今日は寒い。


仕返しする気にもなれねぇ。






もう何発殴られてるだろうか。


先輩3人に囲まれただ1人殴られる。



横の道通る人達もみんな見て見ぬ振りをして通過していく。











そんな時聴こえてきたパトカーのサイレン。







男『うわ……誰か通報しやがった。早く行こうぜ。』




サイレンが聞こえると同時に先輩達は去っていった。


はぁ…俺も逃げなきゃ。



そう思った瞬間。



美『大丈夫??』



それが俺と美音の出会いだった。





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