私の主治医はお兄ちゃん
美「いただきます…」
パクッ
美「え…美味しい……」
お出汁がいい具合いに効いていて薄味なのに薄く感じない……
悠真くんって悪そうなのに料理出来るんだ…
悠「口に合ったみたいで良かったよ。」
美「お料理…上手なんだね。。私も見習いたいくらい。」
悠「じゃ、体調良くなったら2人でなんか作るか?」
美「いいの?」
悠「うん。だから早く治せよ?」
美「ありがとう!!」
なんとか取り分けてくれた分だけは食べ切れた。
悠「もう限界か?」
美「うん…。でも美味しかった!ごちそうさまでした」
悠「じゃあ次は薬飲まないとな。はい。」
そう言って私の手に薬をポンと置いた悠真くん。
美「え?」
悠「早く飲め。はい、水。」
う……厳しい……
あ、でもこれ…
いつも熱出した時に飲むお薬だ……
処方されるお薬なのにどうして悠真くんもってるんだろ…
悠「美音ー?早く飲んでくださーい。」
美「えっあ、うん。」
……………この錠剤大きいんだよな
うまく飲める自信がない。
私が薬をジーっと見つめていると……
悠「ほら。頑張れよ。薬貸して。」
美「え…あ……んーっ!」
悠「ほら。早く水も飲め。」
悠真くんは無理矢理薬を口に入れてコップに入ったお水を渡してきた。
水と一緒に飲み込もうとするけど…
だめだ…
粒が大きくて飲み込めないよ…
口の中で溶けちゃうよぉ……
だんだんと目に涙が溜まってきた瞬間…
悠「ったく…せーのでゴックンして。いくよ?せーの!」
ゴクリ。
あれ…飲めた……
喉に引っかかってる感じはするけど……
悠「よく出来ました!」
そう言って笑ってくれた。
悠「じゃあもう寝ろ。俺隣の部屋のソファで寝てるから何かあったら起こして。おやすみ。」
悠真くんの部屋は1LDK。
寝室らしき部屋を貸してくれて、悠真くんはその部屋を出て行き、隣のリビングへ行ってしまった。