私の主治医はお兄ちゃん
美音side
優也兄が今日は中庭から屋上にでも行こうと言ってくれた。
本当に優しい優也兄。
でもその優しに甘えてちゃいけない。
桜庭さんが言っていた"種違いの兄妹"今までの事考えて見ると全て繋がる。
きっとそれが事実なんだと思う。
私は優也兄、湊斗兄、駿介の事を困らせている。
私は迷惑ばっかりかけている。
お兄ちゃんたちはいつか私のこと……
このままここにいても迷惑をかけるだけ。
これ以上甘えていたらダメだ。
これ以上ここにいたら……
私は点滴を抜いて着替えてその病室を抜け出した。
幸い誰にも会わずに出入口まで来れてそのまま抜け出す事が出来た。
勢いで出てきたものの……どこへ行こう、
もちろん行く場所なんてどこにもない。
学校に行くことも少ないから友達だって少ない。
私は行くあてもなくトボトボと歩き始めた。