私の主治医はお兄ちゃん

美音side



駿介が羽織らせてくれたカーディガン。



駿介がつけている香水の香りがする。

前はいつだっておそろいの同じサイズの洋服だったのに、今では駿介のサイズはぶかぶかだ。

でも……まだ寒いのに駿介は大丈夫かなぁ…



私が考え事をしていると、親友の市瀬莉子(いちのせ りこ)が私の席に来た。


莉「王子と昼休み何してたの?」

美「別に何もしてないよ。…って王子って何?」

莉「だって駿介君は特進クラスの首席で運動神経も抜群!そしてあの顔面!」


わかりやすくニヤつきながらそう言う莉子。




……みんな駿介の本当の姿を知らないからだよ。

今日だって朝あんな意地悪言って…

確かにさっきは優しかったけどさ…









莉子と話しているとあっという間に時間は過ぎた。









そしてすぐ、放課後になった。
< 8 / 296 >

この作品をシェア

pagetop