私の主治医はお兄ちゃん
美音side
駿介が羽織らせてくれたカーディガン。
駿介がつけている香水の香りがする。
前はいつだっておそろいの同じサイズの洋服だったのに、今では駿介のサイズはぶかぶかだ。
でも……まだ寒いのに駿介は大丈夫かなぁ…
私が考え事をしていると、親友の市瀬莉子(いちのせ りこ)が私の席に来た。
莉「王子と昼休み何してたの?」
美「別に何もしてないよ。…って王子って何?」
莉「だって駿介君は特進クラスの首席で運動神経も抜群!そしてあの顔面!」
わかりやすくニヤつきながらそう言う莉子。
……みんな駿介の本当の姿を知らないからだよ。
今日だって朝あんな意地悪言って…
確かにさっきは優しかったけどさ…
莉子と話しているとあっという間に時間は過ぎた。
そしてすぐ、放課後になった。