私の主治医はお兄ちゃん
それからも美音はしばらく泣いていた。
ようやく落ち着いたころに優兄も湊斗兄も仕事に戻って行ってしまって、俺は美音と二人きりになった。
美「どうして…あそこにいるってわかったの?」
駿「俺が美音の立場ならきっと俺もあそこに行ってたと思うから…」
美「本当にダメだね。こんなにすぐに見つかっちゃうなんて。私本当に…」
駿「美音…」
美「……ッ!!…ん。」
俺はこれ以上しゃべれないようにするかのように美音の唇を奪った。
自分がダメなんてそんな言葉、美音から聞きたくなくて…
美「駿介…くるし……ん…。ハァ…」
駿「俺部活中だったのにさぼってきちゃったじゃん。心配かけやがって。」
美「だからって……キ、キスすること…」
美音が顔を真っ赤にしながらそう言った。
駿「心配させたお仕置き。」
俺がそう言うと美音はさらに顔を赤くして顔を布団の中に隠した。
駿「でもまじな話。もう無茶すんな。愚痴でも弱音でも何でも聞くから。」
美「うん。駿介…」
美音は俺のことを呼ぶと布団から目だけをひょっこり出して
美「見つけてくれてありがとう。」
そう言った。
顔が熱くなったのを感じた俺はそろそろ家へ帰ることにした。