私の主治医はお兄ちゃん
ガチャ。
「「ただいま。」」
美「ママとパパだーっ!お帰り!!」
私は走って玄関まで行った。
父「美音体調大丈夫か??あまり無理するなよ?」
美「大丈夫だもーーん!」
母「あら美音ちゃん。ただいま。」
美「おかえり、ママ!私ね、ママの好きなシュークリーム買ってきたの!今コーヒー淹れるね!」
私は久しぶりにパパとママに会えたのが嬉しくてルンルンしながらキッチンへ行き、みんな分のコーヒーを入れるためにお湯を沸かした。
そしてプレスで作ったコーヒーをカップに淹れて……
ガシャーーン
美「キャッ!!!」
あちっ……
プレスを手が滑って落としてしまった勢いで手に思い切りかかってしまった。
せっかくパパとママが来てるのにどうしてちゃんと出来ないんだろう。
もう一度作り直そう。
そう思って立ち上がると、駆けつけてきたのは優也兄だった。
優「美音!?」
美「ごめん。コーヒーこぼしちゃって……すぐ淹れなおすね。カップも1つ割っちゃったの。ごめんなさい。」
私はとっさにコーヒーがかかって真っ赤になった左手を後ろに隠し、カップの破片を拾おうとした。
優「触るな!今後ろに隠したのはなんだ!」
そう言って私の左手を優也兄は強く握ってきた。
美「痛っ……」
その瞬間水道の水で一気に冷やされる左手。
美「優也兄……痛いっ!」
優「我慢しろ。火傷したならすぐ冷やさなきゃダメだろ!!」
そう言って優也兄はいつも看護師さんに指示をするかのように
駿介にはグラスの破片を片すように、
そして湊斗兄は代わりにコーヒーを淹れるように言った。