私の主治医はお兄ちゃん
ピピピピッ
優「37.8°C……。とりあえず薬飲んで様子見てみるか。」
美「うん。」
そういえば少しだけ体がだるい気がするかも。
優「じゃ、はいこれ。」
そう言って優也兄が渡してきたもの。それはさっき私が出したシュークリームだった。
美「これ優也兄の分だよ。」
優「なんで人数分買わなかった?」
……バレてる。
美「いやっ」
優「美音??本当のこと言わないならお熱は注射で下げようか。」
……注射!?
それも解熱剤の注射って痛いやつ……
美「お小遣い……足りなかったぁ〜…ヒック…」
注射に対しての恐怖と一つだけ買えなかった悔しさが涙となって溢れた。
優「相談してくれりゃ良かったのに。」
美「だって。パパとママに買ってあげたかったんだもんっ」
優「そっか。ならこのシュークリームは美音が食べな。」
美「やだ、みんなにも食べてもらうんだもんっ」
優「頑固だなぁ。じゃあ半分こしよう。それならいいだろ?」
私がコクリと頷くと優也兄は笑顔になって半分こに分けてくれた。
それから優也兄からもらったお薬もなんとか飲みきり、いつの間にか私は眠っていた。