交わることはない
再会終わり☆☆
残された遥と私・・
遥は、レストランの人に
お詫びをして私を連れて
その場を後にした。
グランドホテルから出て
少し先のカフェに入り
「何か、食べよう。」
と、遥
注文をしてから
「七湊の元カレ?が兄貴だとわ。」
「本当、びっくりした。
だけど、遥、ありがとう。
とても、嬉しかった。」
と、言うと
「俺も、七湊の言葉・・
嬉しかった・・・」
「だけど、なぜ大夢さんは
あんなこと言ったのかな?」
「俺が言った通りだとおもうよ。
七湊が離れてから
七湊の大切さがわかったんだよ。」
「それは、ないよ。
大切にされた・・とかなかったし
付き合っているのさえも
わからなかったんだよ。」
と、言うと
「兄貴は、まともに女の人と
付き合ったことないから。
俺は、そんな兄貴が嫌だった。
顔だけで、寄ってきて女を
遊んでは捨てて、
弟の俺に文句を
言ってきた人もいたし、
兄貴の代わりに責任とれと
と、交際を強要された事もあった。」
「えっ、そんなことも。」
「ああ。
兄貴は、頭が良くてスポーツも
万能で、俺の憧れだったんだ。
だけど、段々、女にだらしなく
なって行った。
それからは俺は、
兄貴と顔を合わせることもしなくなり
もちろん会話もなくなった。
そんな兄貴に親父も呆れていたから
母親は、そんな兄貴を心配
したんだろうな。
今回の見合いは・・」
「そうなんだ
なんか、複雑。」
食事を終え
二人で歩きながら話しを続けた。
「俺の親父は王林組の社長を
やってるんだけど
中学位から
兄貴と親父は意見が会わず
兄貴は、勝手にIT企業に
就職して、そちらの道を進んだみたい。
そこで
親父は俺に経営学を学ぶように
言ってきたんだ。
高校時代 自分のやりたいことも
決まっていなかった俺に
親父は
“自分が抱える社員とその家族を
路頭に迷わすわけにはいかない
だが、大夢には無理だ。
遥がやってみて、やはり嫌だと
思ったら、別の経営者を考える”
と、言われて
俺は、やれるだけやってみようと
思ったんだ。」
と、言う遥に
「えっ、遥は、あの王林組の
ご子息なの?」
「あのか、なにか、わからないけど。
会社は、じいちゃんが起業して
親父が引き継いだだけだ。」
と、なんでもないように話す
遥に・・
「すごいね、遥は。
いろんなこと考えて。」
「すごくなんかないよ。
いっぱい、いっぱいだよ。
七湊は、教育学部と言うことは
学校か?保育園か幼稚園を希望か?」
「うん、小学校とも思うけど
幼稚園や保育園も、いいなぁと
思っているの。
インターンシップにも行って
どちらも楽しかったから。」
「そうか、悩んで決めたら良いよ。
先生って、七湊にあっていると思う。」
「ありがとう。遥に言われると
そうだな、と思えちゃうから不思議。」
と、言うと遥は立ち止まり
私の方を向いて
「七湊、レストランで言った
俺の言葉は、本当の気持ちだ。
俺との将来を頭に入れといてほしい。」
と、真面目な顔で言われて
真っ赤になった私は
「でも、遥、私でいいの?
もっと、遥を支えられる
女性がいるかも知れないよ。」
と、言う私に
遥は、頭をふりながら
「俺は、お前がいいんだ。
七湊とだったら、
なんでも乗り越えていける
七湊には、俺のそばにずっと
いてほしい。」
と、言いながら抱き締る。