交わることはない

小松家 揉め事

東吾①☆☆　　（夫婦間）

みのりから
七湊と遥君の挨拶の件で連絡がきた。

みのりは、あの夜
家を出てから
家には帰ってない。

家の事は、家政婦が
やってくれるから
困ることはないが・・・

携帯に連絡をしても
出ることも、
折り返しかかってくることもなく
だからといって
LINEやメールでする話でもないので
みのりの会社に連絡して
秘書に連絡をくれるように
頼むが、一向にない。

そんな中、七湊の件で
事務所に連絡がきた。

「七湊から連絡あったと
思うけど、私は○日の土曜日でしたら
都合が良いのだけど。」
「ああ、その日に合わせる。」
「では、よろしくお願いします。」
と、切ろうとするから
「まさか、それだけじゃないよな」
「・・・・・・」
「携帯もでないし
いったい、どこにいて
　　　　　何を考えてる？」
「携帯でなくても
連絡は取れていると思います。
それに、私が家に居ようが
家を空けようが
あなたは、何も気にされないはず。
では、大沢先生、わたくしは
仕事に戻りますので
失礼致します。」
「あっ、おい、おい！！」
プー、プーと、電話は切れた。

はぁっ。なんて勝手な！


クライアントには、優しく
難問にも一生懸命な東吾だが
妻　みのりの考えには疎く
みのりのやることは、
ただの我が儘としか
思っていなかった。

失くしてから・・・

　気づく・・・もの。