交わることはない

そんな☆☆

「よっ、どうした?急に。」と、大夢
「ああ、まぁ、座れよ。」と、亮
二人でビールを頼み
乾杯をしてから
つまみをとる。
「あのな、大夢。」
「うん?なんだ」
「お前、鈴から連絡あったろ?」
と、俺が鈴の名前を出すと
途端に大夢は、嫌な顔をして
「なんだよ。鈴が亮に言ってきたのか?」
「ああ、まぁ、言ってきたと言うか
さっき会って話した。」
「はぁ?なんだよ。」
「そんな、嫌そうにするなよ
俺も正直どうして良いか
わからないんだから。」
「で、なに?」
「うん、あのな、
鈴、妊娠しているらしい
そう、お前の子だそうだ。」
「‥‥えっ、にん‥しん‥?‥」
「4ヶ月過ぎていて
産むにしてもおろすにしても
早い判断がいるらしくて
お前にLINEしたみたいだ
だが、LINEも既読にならないし
電話をしてもでないお前に
どうして良いかわからずに
俺に会いにきたようだ。
ああ、鈴を庇う訳ではないが
妊娠しているのに気づかなかった
ようだ。
元から、不順で
お前との事で悩んでいたから
ストレスからの遅れと
胃痛だと思っていたけど
あまりにも体調が悪くて
同僚からも心配されて
内科に言ったら産婦人科に
行くように言われたらしい。
早く判断しないといけないみたいだ
お前、どうする?」
「どうしてよいのか、わからない
だけど、俺の子だよな
話してくるよ。
嫌な役させて悪かった。」
と、言うと大夢は席を立ち
店を出ていった。

大夢の行動の結果だが
七湊ちゃんの一件以来
やっと立ち直りつつあったのに
亮は、大夢が心配ではあったが
子供には罪はない・・・
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