交わることはない
母親達☆☆
卒業の式典も終わり
三人で大学近くのカフェにはいる。
少しゆっくりすると
笑子の母親は自宅より連絡が入り
帰って行った。
「さすがね、遥君。
感心しちゃった。」と、みのり。
「ありがとう。
でも、私はドキドキだったわ。」
と、あすかが言うと
「あら、そう。
そんな風には見えなかったけど。」
と、言いながら
みのりとあすかは、笑いあった。
それから少しして
二人は、二人だからこそ
話せる事を話した。
あすかの話で
大夢君については・・・
みのりも何と言ってよいのか
わからなかったが・・
あすかは、頭を痛めていた。
何と言っても二人は、
お腹の中の赤ちゃんの親だ。
好き、嫌いも大事だけど
親としての責任もあることから
両家の両親と本人達を交えて
赤ちゃんが産まれるまで
一緒に暮らしてみる。
赤ちゃんが生まれて名付けまでの
間にお互いの気持ちが
よい方向に進まなければ
縁がなかったとする。
夫婦としてやっていくなら
結婚して籍をいれる。
夫婦としてやっていけないなら
子供の認知をして20才まで
養育費は、きちんと払う。
もちろん、慰謝料になるか
住まいを提供するかの選択もする。
大夢君の気持ちより彼女の気持ちが
大切だからと善さんが言った言葉に
彼女の両親が、おれてくれて
双方が納得して決まった。
今、彼女は、大夢君のマンションで
一緒に暮らしているらしい。
臨月までは、双方の親は介入しないことに
していた。
彼女が、大夢君と一緒にいたくなくなる
かもしれないから彼女のマンションも
そのままにしてある。
それも善さんが全て見ている。
彼女の両親は、
父親は、レントゲン技師
母親は、看護師をしている。
支払いも自分達がやると
言ったが、善さんが、
それを譲らなかったそうだ。
彼女の両親は、ここまでしてもらって
と、かなり恐縮していたらしい。
みのりは、あすかに
「子供には、なんの罪もないけど
両親がお互いに愛情がないのは、
問題だと思うわ
私は、彼女の気持ちがわかるな。」
と、言うと
「そうなんだけどね。
彼女は、ずっと大夢が好きだったみたい
だけど、今ではお腹の赤ちゃんにしか
興味なくてね。
大夢は、仕事やら彼女の身体の心配やら
で、バタバタしてるのよ。
なんか、見ていて可笑しくてね。
って、なんかリアルに聞こえたけど
みのり、なんかあったんじゃないの?」
と、あすかに言われて
みのりは、東吾と離婚することを
話した。
まだ、七湊に話していないことも
あすかは、びっくりしていたが
みのりの長年の我慢や
東吾の妻を省みない態度に
怒ってくれた。
みのりは、そんなあすかの気持ちが
嬉しくて、
「ありがとう。」と、伝えた。