交わることはない
小松家 夫婦の今後
東吾とみのり☆☆
東吾は、
何度も「話し合いたい」
と、みのりの弁護士に伝えるが
それにまったく応じない、みのり。
結局、話し合いをすることなく
離婚に応じた。
東吾自身、忙しく自分の事ばかりに
時間を費やす事ができなかったのだ。
東吾の中で、みのりは
とんでもない我が儘な女だと
位置付られた。
だが、東吾もみのりも
七湊の結婚式が終わるまでは
七湊に伝えるつもりはなかった。
東吾は、自分達の離婚について
みのりの会社の
顧問弁護士である東に
だけ伝えた。
東は、
「仕事ばかりで奥さんを
省みなかったんじゃないですか?」
と、冗談交じりに言う
「それなら、お互い様だろう。」
と、俺は悪びれる事なく答えた。
ああは言ったが、どうだろうと
思う事もあった。
みのりは、弦と司、弘二には
離婚したことを伝えた。
弦と司は、びっくりしてあたふた
していたが
弘二は、冷静に聞いてくれた。
もちろん三人には、
あすかに話した内容を
話すことはないが・・・
弦には、
「東吾と一緒にいる意味が見いだせ
なくなった。」
とだけ伝えた。
あすかには、離婚したことを報告し
七湊には伝えていない
と、話した。
すると、あすかは、
「七湊ちゃんのことは、
私が責任を持って預かるから。」
と、言ってくれて
その夜は、二人で飲みに出掛けた。
やっぱり、いいなぁ
いくつになっても
友達ってと思わずにいられなかった。
東吾から、話し合いたいと
何度も言われたが
今の東吾に話しても
私の気持ちを理解されず
言い合いになるだけだ。
これ以上、東吾を嫌いになりたくない。
自分の結婚した相手を否定したくもない
自分の中で、まだ東吾への気持ちを
残したまま終わらせたかった。
父は、私の決断に呆れていたが
元来、私に甘い父・・・
仕事もきちんとやっているし
売り上げも伸ばしている
そこをきちんと評価してくれて
弁護士の岩田先生を紹介してくれた。
岩田先生には、きちんと
全てを話した。
バカにされてもよい
甘ちゃんだと思われてもよい
だけど、岩田先生は、
真摯にとらえてきちんと
対応してくれた。
私は、七湊の結婚式が
終わったら、自分の拠点を
海外に移すつもりだ。
日本の会社は、司に任せて
弘二は、副社長に置くつもりでいる。
弘二もいずれ結婚しなければ
行けない、身の安定の為だ。
父は、母を亡くして
一人身だが
父の秘書だった本木さんが
献身的に父の元にいてくれて
父の世話をしてくれているから
私は心配していなかった。
何かあったら、きちんと連絡くれる
本木さんだから。
海外に移り住む事は、
父と本木さんには、もう話をしてある。
人事について父に相談したかったから
父は、寂しがってくれたが・・
私は、父を抱き締めて
「お父さん、大好きよ。」
と、だけ伝えた。