交わることはない
新婚旅行中に
お母さんに連絡をとって
会いたいと話していたが
結局、お母さんの時間と
私達の移動とが会わなくて
電話で話せただけだった。
だが、電話の声のお母さんは、
凄く元気で、精力的に動いていた。
家では、慌てん坊だったり
優しく包みこんでくれる
母だが、一歩外にでると
バイタリティーに溢れた
企業のトップに変わる。
すごい女性だ。
私は、新婚旅行の間も
遥に甘やかされながら
他国での日々を1日、1日と
目に焼き付け
存分に楽しんで帰国した。
帰国してから
遥は、専務として
忙しい日々を送っていた。
七湊は、新婚と言うこともあり
クラスを持たずに
フリーの先生として
お休みの先生のクラスに入ったり
各クラスの補助に入ったり
する配置を園長先生から
言われた。
いつ妊娠するか、わからないし
遥の会社への参加もあるために。
今日は、遥が地方に視察に
行っているため
笑子ちゃんと夕飯を食べに出掛ける。
卒業の日より
笑子ちゃんのお母さんとも
話したり
お家にもお邪魔させて
もらったりしている。
凄く気さくな方で
着物の着付けとかも
習ったりしている。
笑子ちゃんと待ち合わせして
学生時代に行ってた居酒屋へ
二人で近況報告したりして
楽しく食べて、飲んでいると・・
「七湊?」
と、呼ばれて振り向くと
大夢さんで
「あっ、ひっ、お義兄さん」
「クスクスっ、大夢で良いって
いったのに。」
「いえ、そういうわけには
お義姉にも失礼ですから」
「相変わらず、七湊は真面目だね。
で、今日、遥は?」
「あっ、遥は、地方視察です。」
「それで、相原さんと?」
「はい。」
「大沢先輩、ご無沙汰してます
と、言うか、七湊の結婚式ぶりですね。」
「そうだね。弟夫婦の結婚式に
出席頂いてありがとうございます。」
と、大夢さんが言うから
三人で笑っていると
「俺は?俺もいれてよ。」
と、亮
「ああ、七湊に相原さん
覚えてないかな?
大学時代、俺とずっと一緒にいた
黒木 亮。」
と、大夢さんに言われるが
私も笑子ちゃんも
定かではなかった。
まあ、大夢さんに良い思い出が
なかったから
「お前の当時の素行のせいで
俺の影が薄いんだわ。」
と、亮さんが言うから
私も笑子ちゃんも
うんうんと、頷いた。
それを見て、大夢さんは頭をかいていたが
笑子ちゃんが
「先輩方も一緒にどうですか?」
と、誘って
では、となり四人で飲んだ。
私は、大夢さんに
「お義姉さんにきちんと
連絡しておいてくださいよ。」
と、言い
自分も遥に直ぐ連絡いれたら
笑子ちゃんに変わるように言われて
笑子ちゃんと話して
確認?していた。
それを亮が聞いていて
「すごいな、大夢の弟は。」
と、言うから
「七湊、大好きで
大変なんですよ。大沢 遥は。」
と、笑子ちゃんが言うから
私は苦笑いをしていた。
大夢さんも鈴さんに連絡して
四人で色々な話をした。
私は、亮さんが
ドタキャンをする大夢さんに
忠告した話をきいてびっくりしたり
遥とショッピングモールで
ピアスを買ってもらったときを
見られていたのにも驚いた。
「大学時代、相原さんと七湊ちゃんは、
大学を二分するくらい人気が
あったんだよ。」
と、言われて
またまた、びっくりしながら
楽しく飲んだ。
帰り、私は大夢さんに
送って貰い
笑子は、亮さんに送ってもらった。
「お義兄さん、すみません。
わざわざ、送って頂いて
ありがとうございました。
お義姉さんにも、宜しく
お伝えください。」
と、言うと
「七湊は、真面目だね。
わかったよ。
鈴に、つたえとく。
またな。」
と、頭をポンポンとして
大夢さんは、帰っていった。