交わることはない
みのり①☆☆
(『』は、日本語ではないと言う意味です)
『エド、本当に
手をかしてくれて ありがとう。
ドイツもスペインも起動に
のりつつあるわ。』
『僕は、何もしていないよ
少し、知人を紹介しただけ。
後は、ミノリが全てやった
僕は、ミノリに力を貸して
ミノリにかりを作って
ミノリが僕から離れないように
したかったのに・・・』
と、おもしろくないと
言わんばかりのエドに。
『エド、十分に手をかして
もらったわ。
本当にありがとう。
モデルの中でも群を抜くあなたは、
私みたいなおばあちゃんじゃなくて
見合った女性がいるはずよ。
まぁ、私が会社の事で
振り回しといて
見つける事も出来なかったかも
しれないけど。』
と、言うと
エドは、首を何度も横にふりながら
『僕は、ミノリを愛してるんだ。
他の誰でも良いわけじゃない。
だけど、僕の存在自体が
ミノリに煩わしい存在なら
僕は、仕事はきちんとやるが
ミノリの前には、もう現れないよ。
だから僕の目を見て、
ミノリの気持ちを聞かせて。』
と、エドは綺麗なグレーグリーンの
瞳を真っ直ぐにみのりに向けた。
みのりは、東吾との事もあり
人を好きになることに
躊躇していた。
愛しても、その時だけで
また、心が離れていくのでは・・と。
エドは、東吾との経緯も知っている
と、言うか
無理矢理、話させられた・・
離婚したのを黙っていたのだけど
名前が変わっていたのを
契約書で知られてしまい
追い詰められたのだ。
それからは、エドは体の許す限り
私のそばにいて力を貸してくれた。
私が、考えている間に
エドは、
私が応えられないととったのか
静かに席を立って
出ていった。
みのりは、これで良かった
これで良かったんだと
何度も自分に言い聞かせた。
エドは、まだ若く未来がある。
私みたいなバツイチのおばさんに
関わってはいけないと
思っていた。