はやしくんに、紫陽花の花束を。


「も、もう少し話ししたい」


とっさの出来事に吃る私とまた驚く彼。


「俺も、話すこといっぱい…でも火曜俺が見つけたら、火曜日にご飯いかない?」


それまでのお楽しみにしよう、そう言って駅まで送るよと言うはやしくん。結局コーヒーは買えないまま、私ははやしくんと一緒にいる時間を選んだ。


火曜日に私に予定がある可能性、考えなかったのかな。まぁそんなところもはやしくんらしいわ。ちなみに何もない。仕事が終わったら直帰したいタイプだから。


「話すこと、まとめておくんだよ」


「はやしくん、私に話することなんてあるの?」


「まぁ人並みにあるよ」


私にはそんなことはなかったんだけれど、慶次郎によるとどうやら遊んだりすることもあまりなく、彼が来ることは割とレアだったそうな。


と、言ってもわたしも数回2人であったことがあるぐらいで…付き合ってもいなかったし、あれ?あのとき何してたんだろう私たち。


「じゃあ俺は逆の線だから」


「うん、ありがとう」


「連絡するね」


そい言ってまたね、と手を振り去っていく。


またねだって!!!奇跡だよ本当に…飛鳥たちに今度何奢れば良いんだろう。感謝の気持ちを込めてケーキでも買って持って行こうかな。


まぁ社割が効くからなんだけど。
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