はやしくんに、紫陽花の花束を。
『来月、高校の同窓会するから空けておけよ第2土曜』
「いや…別に仲良い人居ないし」
『あー高森ちゃんね。連絡してみるわ』
久々に聞く名前に驚く。と言うか、私の仲良かった友達の名前ちゃんと覚えててくれたんだ…。
久しぶりに会いたいな、なんて思ってしまった。でも今度会うときは私がビックになった時!と言って沖縄へ行ってしまったしなぁ。今何してるんだろう?
『てか俺が居んだろうが。来いよ!絶対だからな!』
そう言ってブチっと切られる電話。
そうそう。この人切らないときは全く切らないで1人で話ししてるし、切るときは疾風の如く切る。私的には迷惑。こんなのメールで良いでしょうが!
…嫌だなぁ。高森は絶対来ないと思うし。慶次郎があんなんだったから、付き合えよ!ってからかわれていた裏で、一部の女子には何、あの女!状態だったし。
ただの腐れ縁で一ミリも興味ないのに、何だよその少女漫画的な展開は、って当時は思ってたけど。みんな丸くなったのかなぁ?
「やば、明日朝番じゃん」
時計を見るともう午前1時。朝晩の日は8時出勤なので急いで寝る支度をして布団に潜り込んだ。
今日は色々ありすぎた…何だかんだ変な夢見てしまいそうだ。
変わらず気だるげなはやしくんに、可笑しいぐらい元気な慶次郎に、いつものように喧しい柳瀬に、今までで一番綺麗な飛鳥に……フォアグラ…肉…あとはサラダ……
そう思いながら睡魔に襲われ、私は案の定、夢の世界に行くことになる。あの、私の青春時代にこのタイミングでタイムスリップするなんて。