はやしくんに、紫陽花の花束を。
それからはそのSNSで日記を書くと、コメントをくれるようになったはやしくん。
彼は日記は書かず、コメントを専門にしていたみたいなので、コメントをもらった後はそのサイト内のダイレクトメールみたいなもので暇つぶしに連絡したりしなかったり。
今でもよくあるでしょ、ネットで仲良くなって、そのまま連絡先交換してって。私達の間には慶次郎が居たから、はやしくんからわたしの連絡先を慶次郎に聞いてくれたらしく、そこから連絡を取りはじめた。
「お前らなんでそんなに仲良いのー!!」
「すごい良い子だからね、はやしくん」
「俺より仲良くなるのは可笑しい!お前も林も!俺の方が先に友達になったのに!」
意味のわからない理由で私に文句を言う慶次郎。独占欲の塊みたいなものだろうか?
確かに、はやしくんと連絡を取れるようになったのは慶次郎のお陰だし、強くは言えないけど毎日毎日同じこと言ってくるから勘弁してほしい。
「おい川たち~。ノート集めて職員室持ってきてくれ」
「そのまとめ方やめて下さい!」
「めんどくさいんだよ川川川川って」
担任らしからぬ発言を受けて、仕方なく女子のノートを集める。そう、慶次郎を苗字で呼ばない理由はここにある。
学生たるもの、少しでも名前が似ていると茶化してくるわけだ。めんどくせぇから結婚しちまえよ!だのなんだの。そもそも無理だろまだ学生だぞ。
最初は私が名前で呼んでいたので本当に結婚するのか?と茶化されたが、周りがそうやってうるさいから少しでも似ないように、と言って周りを幻滅させてきた。
「なぁ、俺も七瀬って呼んで良い?」
「え、嫌だ。変な感じする」
慶次郎の提案を思いっきり阻止して、ノートを職員室へと持っていく。