はやしくんに、紫陽花の花束を。


「何で来る気になったんだよ」


「たこ焼き、食べたくなったから」


嘘ではないし良いかな、なんて思ってたこやきに全罪をなすりつける。でも、これが慶次郎と気まずくなく居られる方法な気がする。


そもそも私、この人に気を遣いすぎでは?


「まぁ楽しみにしてるわ」


そう言って私の2つ前のバス停で降りた。 肩の荷が下りた感じ…はやしくんに出会うまでは、こんなに気遣わなかったのに。


まぁ、鬱陶しいのは昔から変わらないし…はやしくんが居なかったら、ここまで仲良く出来てないかもしれない。


中学からずっと同じクラスな人間、アイツしか居ないし、一応大切にしないととは思っている。思ってはいるんだけど



「鬱陶しいんだよなぁ」


そう呟きながらバスを降り、家まで歩く。バス停から家までの距離は約30秒。


ただいまと言って家の鍵を開けて入る。ウェディングプランナーの母とホテルの総支配人の父。私が帰ってきても基本家にはだれも居ない。


【行けたら行こうかな】


行く気はあるんだけど、何が起きるかわからないし。そう返事をした後にベッドにダイブする…今日も一日疲れたなぁ。


今日は木曜日…土曜日なんてすぐに来る。実はメールだけしかしたことがなくて、土曜日会えるのならそれが初めての対面になるわけで。


【楽しみにしてる】


その返事が来た後に、1人じゃどうしても心細い私は、土曜日どうしても付き合って欲しい所があると高森にメールを入れておいた。




* * *




時は過ぎあっという間に土曜日。


なんて、カッコよく言ってみたけれど緊張して全然寝れなかった。土曜日になるまで1週間ぐらいあった気がする…


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