はやしくんに、紫陽花の花束を。


「私、頭良いよ?」


「え、勉強できなさそうなんだけど」


「失礼じゃない?主席で入学してるんだけど」


まじか、と本気で驚いた顔をした。そう、アホっぽいと言われるけど実は勉強は出来る。にしても失礼な話だけれど。


たこ焼きの屋台まで歩いていると、道中に色々あった。 ヨーヨーとかキラキラ光る棒とか。いいなぁ、昔からあの電気光るやつ好きなんだよなぁ…


色々なものに目移りしていると、はやしくんが突然道を逸らし、まさかのキラキラ光る棒を手に取る。


「勉強はできるみたいだけど、行動がアホだよね。バレバレ。これあげる」


そう言って屋台のおじさんにお金を渡した後、私商品を渡す。


「…そんなに分かりやすかった?」


「小学生の従姉妹と同じ動きだった」


笑いながらまたたこ焼き屋へと歩き出す。ちょっと笑い事じゃないんだけど!?と思いながらも少しむすっとした顔つきで後ろからついて行く。


たこ焼き屋に到着すると、案の定繁盛していて混んでいた。小学校のグラウンドの面積を考えると、人気のお店も数店舗しか出せないので混むわけだ。


「え、林じゃん」


「…どーも」


「えっ彼女!?彼女いんの!?」


そして地元パワーも激しく、当たり前のようにはやしくんの知り合いがいるわけで。しかも女の子に声かけられてる。私の知り合いはもちろん居ないけど。


すごく嫌そうな顔をしながら返事をし、質問に少し答えにくそうにしている…これはどっちだ?どっちを求めているんだ…?


「彼女なわけないよね?あんなに彼女作らなかったのに」


そういう女の子の顔は結構怒ったような顔。はやしくんはなんでこんな怒ってんだろって顔。この人モテてたのに振ってたパターンか。


それで多分これは、こっちの反応が正解だ。


そう確信して私が口を挟む。
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