はやしくんに、紫陽花の花束を。
「ななせ、二次会行く?」
「あ…うん、一応」
「そっか」
はやしくんは、そういう集まり苦手だったよな。
明日仕事なのかもしれないし…私が一緒に行こうよなんて言っても来ないのなんて目に見えてるし。
とりあえずこの奇跡を繋がねば。そう思って頭をフル回転させていると、はやしくんが口を開く。
「ななせがいくなら、いく」
行く気なかったけど、と言って私がはやしくんを探している時に手に取った白ワインをスッと奪う。
「だから、飲みすぎないでね」
そう言ってそのまま自分の卓に戻っていく、少し大人になったはやしくん。なんだこれ…なんだこれ!!!白ワイン取られただけなのにどうしてこんなにドキドキするんだ!!
私も我に返って席に戻ろうとする。その前に今回の場を提供してくれた私の神様、新郎新婦に挨拶しに行こう。
「この度はおめで」ねぇ!林と仲よかったの!?」
食い気味で新郎にそう聞かれて少し目線を逸らすと、目逸らさないで教えて!!と恐ろしいぐらいに問いただされる。
「まぁ…少しだけ。久しぶりに会いましたよ」
「ねぇ、何話したの?あ、林も来るとか言ってた?二次会」
「一応言ってました」
「まじかー!!!奇跡だな!!!」
私と新郎が盛り上がっていると、新婦がびっくりしながら私に話しかけてくる。
「林ってまさか、よく七瀬から聞いてたあの音信不通の!?」
「そうなの。だから2人にお礼しに来た」
なるほど、なんか奢れよと言ってにっこりするウェディングドレス姿の友人、飛鳥。
新郎はあの林が…とブツブツ言いながらめっちゃくちゃ嬉しそうな顔をしている。分かるよ、はやしくん絶対そういう集まり来ないだろうしな。