はやしくんに、紫陽花の花束を。


仲が良いのか悪いのか分からんなこの2人は。


2人が喧嘩してる間に1人でタコを抜いてたこ焼きを食べる。お前も何とか言えよ!と慶次郎に言われたが特に言うこともないので無言で食べ続ける。


「そもそもお前は昔からすぐ自分勝手な行動してさぁ」


「ななせが困ってたから抜けてきただけ。その時その場に居なかったのは慶次郎じゃん」


なぜか知らないけど火花がバチバチしているように見える。これ、私のせいなのか…?


あれじゃん、めっちゃモテてる主人公の女子みたいな気分じゃん。なんかちょっと気分良いからこのままでいようかなー!!!


なんて、呑気なことは言ってられない。


「もー。昔から慶次郎は心配性だなぁ」


「ほんとね。俺のことが好きなの?それともななせのことが好きなの?」


「なっ…!」


どっちでもねぇよ!と叫ぶかのように言った慶次郎。なんだ、じゃあ親のような感覚か。


ブツブツと小言を言いながらほら行くぞと私たち2人をみんなの輪に連れ戻す。


慶次郎が先頭を切って歩いていると、私の隣を歩くはやしくんがツンツン、と肩を指でつつく。


「ん、なに?」


「慶次郎に邪魔されたから…今度は2人で遊ぼ?」


そう言ってまた歩き出す。


彼、メールだと面倒くさがりで人に関心ないと思ってたけど、私とは仲良くしてくれようとしてくれているのかも。


「あーじゃあ、来週の土曜どう?買い物付き合って欲しいの」


「俺で良いなら」


そうして慶次郎に内緒で次の約束を結び、みんなの元へと戻る。

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