はやしくんに、紫陽花の花束を。
「んー、俺がななせと結婚するなら」
「えっ!?」
「まぁ、聞いて」
突っ込まずにはいられない単語が入ってきて、案の定ツッコミを入れると、そう言われるのできいてることにした。
「俺がななせと結婚するなら、食器が欲しい…かな?」
なるほど…連想して渡すもの考えれば良いのか。
毎日使うものだし、2枚ずつペアで貰えたら使いやすいかもね。と言ってデパートの中を散策し始めた。
「ななせは、俺と結婚して、何貰えたら嬉しい?」
「は、はやしくんと…けっ…こん…」
「ん、例え悪かったかな。慶次郎でも良いよ」
「それはちょっと…」
そもそも何故旦那を具体的に決めないといけないんだ…。とか思いつつ、はやしくんと結婚したとしてお祝いの品を決めていく。
食器ははやしくんの友人からもらうとしよう。そうすると次に必要なのは…
「あ!コップが良いな!ペアの!」
「ん、良いんじゃない。見に行こうか」
背が高くすらっとしているはやしくんが、わたしの前を歩く。周りの人がチラチラと見ているのも何となく気づいていたけど、あまり気にしないように…この夢のひと時を楽しまねば。
前を歩いていたことに気付いたはやしくんは、少し歩くテンポを遅めて歩いてくれる。紳士だ。