はやしくんに、紫陽花の花束を。


「ななせは、ケーキ屋さんとか。似合うね」


そう言ってふふっと笑う。


「え…正解なんだけど……」


「…え、本当に?」


ちょっと気持ち悪いかな、俺。と言いながらも何だかツボに入ったらしくずっと笑ってる彼をみて、つられて私も笑い出してしまった。


「え、何で分かったの!?」


「本当に、似合いそうだなって思っただけだよ。あとと付け足すなら、デパ地下とかにいそうだね?」


「はやしくんこわ…当たってる」


「えっ…ふっ…まじで…?ふふ…」


笑いを堪えるのに必死で私と会話してくれるはやしくん。笑ってるのを見るのも本当に久しぶりで、何をしてもキュンキュンする。


私とはやしくんを先頭に、私たちの友人が付いてくるこの状況。私達の共通の友人は慶次郎だけだし、その慶次郎は女子に捕まっている。当たり前に2人きりになるわけだ。


今がチャンスだ。


「はやしくん!」


「ん?」


「私、謝らなきゃいけないことがあるの」


そう切り出して、さっき付いた彼氏の嘘を吐くと、いつものようにニコリとは笑わず少し驚いたような顔をしていた。


そりゃそうだ、突然こんなこと言われたら私が男ならキモって思うわ…好きでもない女に。


「まぁ良いよ、話合わせれば良い?」


「えっ!良いの?」


「俺も他人にパーソナルスペース入られるの嫌だから」


丁度良い、と言ってまた前を見て歩き出す。なんだか距離を置かれた気分だな…
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