ぜ、ん、ま、い、と、あ、た、し
無償提供された部屋の、二段ベッドの下段に潜り込む。
このまま寝ても大丈夫だろうかと憂慮した。
もし目が覚めて病室のベッドだったらと想定し、身が細る。
枕に頭を埋めると、上段のベッドの底板が目に入った。
ちっぽけなベニヤ板だったが、あの病室の天井よりもずっと温かく感じられた。
からきしとんちんかんなことばかりで付いて行けない一日だった。まさか牢屋にぶち込まれるとは。
思い返し、低い笑いが込み上げる。
その時、何かが脳裏を掠めていった。
牢屋に入れられた時、格子の向こうに貼られていた指名手配犯のポスター、あれは今思えばナオヤだったのでは?
あの顔はもしかして、いや、絶対そうだ。
あたしとしたことが、凶悪犯を野放しにしてしまったのだろうか。
あの眼差し、あの黒い目。
それ程悪い人には見えなかったが、優しい顔の裏で酷いことをする奴もいる。
そういう奴はきっとあたしの予想よりも、わんさといるだろう。
他人を安易に信用しては駄目だ。
あたしは自分を言いくるめた。
このまま寝ても大丈夫だろうかと憂慮した。
もし目が覚めて病室のベッドだったらと想定し、身が細る。
枕に頭を埋めると、上段のベッドの底板が目に入った。
ちっぽけなベニヤ板だったが、あの病室の天井よりもずっと温かく感じられた。
からきしとんちんかんなことばかりで付いて行けない一日だった。まさか牢屋にぶち込まれるとは。
思い返し、低い笑いが込み上げる。
その時、何かが脳裏を掠めていった。
牢屋に入れられた時、格子の向こうに貼られていた指名手配犯のポスター、あれは今思えばナオヤだったのでは?
あの顔はもしかして、いや、絶対そうだ。
あたしとしたことが、凶悪犯を野放しにしてしまったのだろうか。
あの眼差し、あの黒い目。
それ程悪い人には見えなかったが、優しい顔の裏で酷いことをする奴もいる。
そういう奴はきっとあたしの予想よりも、わんさといるだろう。
他人を安易に信用しては駄目だ。
あたしは自分を言いくるめた。