ぜ、ん、ま、い、と、あ、た、し

聖都

上空からもその都がかなりの大都市であることが窺い知れた。

街道が縦横無尽に手足を広げ、車のヘッドライトが数珠繋ぎに渋滞のネックレスを作っている。

三角や四角、様々な屋根が軒を連ね、円形の競技場らしき物まであった。

首を伸ばしてそれらを見ているうちに、着々とヘリの高度が下がっていくのが分かった。逆に心拍数は上昇の一途だ。

ヘリが着陸したのは城内のヘリポートのようだ。

緑の芝生の上に着陸地点を示す大きな丸印がある。

乱暴こそされないものの、両手には手錠をされていた。

溜息混じりに地面に降り立つ。

大きな城で、この場所からは全貌を見渡せなかった。

幾重にも白い城壁が張り巡らされ、随所にぜんまいを背負った赤い兵士の姿がある。

城壁の角に立つ尖塔の上には、赤地に金のぜんまいの紋章が縫い取られた旗が翻っていた。

それを目にして消沈する。

裁かれて、あたしは死刑だ。
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