ぜ、ん、ま、い、と、あ、た、し
翌日ラッパの音でけたたましく起こされた。部屋には時計も窓も無い。

「おはようございます、黒谷様。よくお休みになれましたか?」

グレンヴィルだった。

「それは、もう」

あたしは不信感たっぷりに大臣を斜めから見た。

「それは宜しゅうございました」

露にもいいと思っていない顔のグレンヴィルだった。

「外へお出で下さい。湖のゴンドラにて創手様がお待ちでいらっしゃいます」

早速のお呼び出しだ。
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