その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―



仕事に意識を向けているうちに、だいぶ体調も良くなってきたので、紅茶を飲みながら菅野さんにアドバイスの返信をした。

その返信を機に、数件のメールがどっと入ってくる。

どれも違う同僚からで、そのほとんどが仕事の相談や報告事項だった。

菅野さんに返信したことで、私の体調が回復したことが部署内に知れたのかもしれない。

苦笑いを浮かべつつも、今は自分を頼って送られてきたメールにそんなに悪い気がしなかった。

ひとつひとつチェックして、それぞれに返信をする。

その合間に、自宅でもできる自分の仕事も片付けていると、気付けば夕方になっていた。




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