その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―
◇
長時間のパソコン作業で肩が凝り固まってきたのを感じて、両腕を上げて伸びをする。
後ろに反り返るくらいに身体を伸ばすと、背後の壁時計が見えた。
もう19時過ぎか。
仕事に没頭している間に、いつのまにか部屋の中が暗くなっていた。
立ち上がって部屋の電気をつけると、仕事のためにつけていた手元のスタンドの灯りを落とす。
昨日も今朝も体調不良であまり食べられなかったけれど、体調が良くなり仕事にカタがつくと、途端にお腹が空いてきた。
何か作ろうかな。
おもむろにキッチンに歩いて行って冷蔵庫を開く。
するとそこには、広沢くんが買ってきてくれたゼリーやドリンクのペットボトルがたくさん入っていた。
冷凍室を覗くと、電子レンジで温めて食べられるパスタやドリア。
簡単に食べられるものを選んで買ってきてくれたらしい。
それにしても、随分といろいろ買い込んできてくれたのね。
しばらく食事には困らなそうでありがたいけど……