その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―




長時間のパソコン作業で肩が凝り固まってきたのを感じて、両腕を上げて伸びをする。

後ろに反り返るくらいに身体を伸ばすと、背後の壁時計が見えた。

もう19時過ぎか。

仕事に没頭している間に、いつのまにか部屋の中が暗くなっていた。

立ち上がって部屋の電気をつけると、仕事のためにつけていた手元のスタンドの灯りを落とす。

昨日も今朝も体調不良であまり食べられなかったけれど、体調が良くなり仕事にカタがつくと、途端にお腹が空いてきた。

何か作ろうかな。

おもむろにキッチンに歩いて行って冷蔵庫を開く。

するとそこには、広沢くんが買ってきてくれたゼリーやドリンクのペットボトルがたくさん入っていた。

冷凍室を覗くと、電子レンジで温めて食べられるパスタやドリア。

簡単に食べられるものを選んで買ってきてくれたらしい。

それにしても、随分といろいろ買い込んできてくれたのね。

しばらく食事には困らなそうでありがたいけど……



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