その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―
「そうですよね。碓氷さんは今週の金曜日までに印刷会社に依頼するって言ってましたけど、少しでも早く終わらせるようにします。運動会、楽しみですね」
「そうね」
「俺も見に行こうかなー」
「いや、関係者以外はダメでしょう」
本気か冗談かわからない口調でつぶやく広沢くんに、冷静に突っ込む。
「俺、めっちゃ関係者じゃないですか。乃々香ちゃんのおばさんの会社の人っていう」
ふざけて笑う広沢くんを無言で睨む。
そんな私を見てクスクスと笑う彼は、なんだかとても楽しそうだった。