その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―


広沢くんはこの前、乃々香のかけっこの練習に付き合ってくれたし。

運動会の日にトラブルが重なってしまったことを気にかけてくれているのがわかる。


「ありがとう。大丈夫だから」

駅のホームに入った電車が、ゆっくりと止まる。


「じゃぁ、お疲れ様」

カバンを抱えて立ち上がると、まだ先の駅に帰る広沢くんを残して電車を降りた。




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