極上御曹司のヘタレな盲愛
私が頷くのを確認した大河は、再びおでこにキスをすると「愛してる…」と耳元で囁く。

そのまま首筋に舌を這わせ…。
大河は指で…舌で…私の身体をトロトロに溶かしていった。

「…っ‼︎」

トロトロに溶かされていた筈なのに…大河が入ってくる圧迫感と痛みで涙が溢れる…。

今日は私に確認しないのね…。
きっと確認したら土壇場でまた私が怖気づくと思ったんだろうな…。

「痛いか…?」

大河が自分も苦しそうな顔をして訊いてくる。

「ううん…幸せだから…平気…」

斎藤さん…あなたやっぱり間違ってる…。
こんな事…好きな人とじゃなきゃできないよ。
他人に対する嫌がらせのために好きでもない人とするなんて…考えられない…。

「ちょっとだけ我慢してくれ…」

大河はそう言うと、最奥まで一気に腰を沈めてきた。

「…っ‼︎」

お腹の奥が大河でいっぱいになって苦しいけれど…でもとても幸せ…。
この胸いっぱいに溢れる感情が、愛しいって事だって初めて知った。

大河の事が愛しくて愛しくて…さっきとは違う涙が溢れる。

いっぱい誤解して、可愛くない態度ばかりをとる私の事を…ずっと変わらず好きでいてくれてありがとう…。

幸せ過ぎて苦しくて…思わず大河にしがみつく。

「桃…。愛してる…」

「私も…」

大河が耳元で何度も何度も愛していると囁くのを聞きながら…ゆっくりゆっくり揺さぶられているうちに…。
痛みや苦しさは、いつしか快感へと変わり…。

私の吐息が熱く甘いものに変わっていくと、大河はもう容赦なく私をせめ立てた。

大河に…揺さぶられ、擦りあげられ、突き上げられて…。

お腹の奥がキュンキュンするのが止まらない…これまでに感じた事のない感覚に…。

堪らず無意識に腰をくねらせてしまい、甘く恥ずかしい声が漏れてしまう…。

そんな私を感じて…徐々に大河の動きが早まった…。

やがて…内腿からせり上がってきて全身に広がる堪え切れないほどの爆発的な快感に、か細い叫び声をあげ、背を煽らせ震えながら大河にしがみつく…。

クゥッと切なげな声をあげた大河が、私の中に20年越しの想いを吐き出すのと同時に、目の前が真っ白になってしまった私は…。

「愛してる…」と言う愛しい人の声を耳元で聞きながら…意識を手放した…。


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