極上御曹司のヘタレな盲愛
第4章 再生
覚醒
目が覚めたのは…たぶん夜…。
ここは…どこ?
見慣れない白い天井…常夜灯の灯った広い部屋。
起き上がろうとして気づいたが…腕に点滴?
って事は…ここは病院なんだろうか…。
なんで…。
なんだか体に力が入らないので、なかなか起き上がる事が出来ない。
しかも…誰だか知らないが、私の点滴をしていない方の手をギュッと握り、お腹の所で突っ伏して眠っている。
私は体をもぞっと動かした。
「…も……も…⁉︎」
突っ伏して眠っていた人が、気づいて慌てて顔を上げた気配がした。
男の人の声…。光輝?でもよく考えてみたら声が違う。
この声を、私はよく知っている…。
枕元に移動して、震える声で私の名前をもう一度呼びながら顔を覗き込んだのは…。
「…た…いが…なん…で…」
「目が覚めたのか!」
「あの…なんで…大河…が…」
だって…天敵なのに!
普段から会社でも家でも顔を合わせないように、関わり合いにならないように生きてるのに!
だって、この男と関わると昔から本当にろくな事が無いんだから!
ここがどこだかもわからない状況で、大河なんかの顔を見てしまって、とても驚いた。
しかも「目が覚めてよかった!」と、さっき握っていた私の手を、今度は両手でまた強く握りしめて…手の甲に口づけた!
大河は私の頬に震える手を添え、もう片方の手で髪を撫で、顔を覗き込んできた。
ちょっと!近い!
キスでもしそうなその距離に、軽くパニックになる!
ギョッとした顔でその手を振り払い、咄嗟に出来うる限り身を引いた私に、大河はなぜか怪訝そうな顔をした。
「…桃…?」
暫くお互いを探るように見つめ合っていたが…やがて大河が枕元のボタンを押した。
ナースコールをした後、大河は私をじっと見つめて言った。
「桃…。俺が…子供の頃からずっと好きなのは誰か…知っているか…?」
なんでこんな所でいきなり?
戸惑ったが…大河の声が少し震えているように思えて…。
縋るような…切羽詰まっているような気がして…答えた…。
「そんなの……花蓮に決まっているでしょう…」
聞いた瞬間、大河の青みがかった涼やかな目が大きく見開かれ、形の良い唇がへの字になり、端正な顔が歪んだ。
なんでそんなに悲しそうな顔をするの…?
大河が花蓮を好きな事なんて、小さい頃から知っている。
だって子供の頃から大河は花蓮と私を、わかりやすく差別してきた。
忘れられない誕生日プレゼント…。
花蓮には大輪の薔薇の花束、私には芋虫のついたコスモス。
自分だって学食で、花蓮は昔から自分のものだから手を出すなって、友人達を牽制していたじゃない。
私もその場面、見たし…。
大河はわかりやすくアピールしていたと思うのに、なかなか2人は付き合わなかった。
私と違ってモテる花蓮には過去何人か彼氏がいたし、ちゃんと本人に告白していないのかと不思議に思っていたけれど…。
私には関係ないし、万が一…2人が結婚する事にでもなって、私の事を『双子の残念な方』と呼ぶ意地悪男が私の義弟になったら最悪だから、知らないふりをずっとし通してきた。
なのに…なんでこんな不思議な状況で、そんなわかりきった事を今更訊くの?
?で頭がいっぱいになったけれど、まずは状況把握だ。
ここは…どこ?
見慣れない白い天井…常夜灯の灯った広い部屋。
起き上がろうとして気づいたが…腕に点滴?
って事は…ここは病院なんだろうか…。
なんで…。
なんだか体に力が入らないので、なかなか起き上がる事が出来ない。
しかも…誰だか知らないが、私の点滴をしていない方の手をギュッと握り、お腹の所で突っ伏して眠っている。
私は体をもぞっと動かした。
「…も……も…⁉︎」
突っ伏して眠っていた人が、気づいて慌てて顔を上げた気配がした。
男の人の声…。光輝?でもよく考えてみたら声が違う。
この声を、私はよく知っている…。
枕元に移動して、震える声で私の名前をもう一度呼びながら顔を覗き込んだのは…。
「…た…いが…なん…で…」
「目が覚めたのか!」
「あの…なんで…大河…が…」
だって…天敵なのに!
普段から会社でも家でも顔を合わせないように、関わり合いにならないように生きてるのに!
だって、この男と関わると昔から本当にろくな事が無いんだから!
ここがどこだかもわからない状況で、大河なんかの顔を見てしまって、とても驚いた。
しかも「目が覚めてよかった!」と、さっき握っていた私の手を、今度は両手でまた強く握りしめて…手の甲に口づけた!
大河は私の頬に震える手を添え、もう片方の手で髪を撫で、顔を覗き込んできた。
ちょっと!近い!
キスでもしそうなその距離に、軽くパニックになる!
ギョッとした顔でその手を振り払い、咄嗟に出来うる限り身を引いた私に、大河はなぜか怪訝そうな顔をした。
「…桃…?」
暫くお互いを探るように見つめ合っていたが…やがて大河が枕元のボタンを押した。
ナースコールをした後、大河は私をじっと見つめて言った。
「桃…。俺が…子供の頃からずっと好きなのは誰か…知っているか…?」
なんでこんな所でいきなり?
戸惑ったが…大河の声が少し震えているように思えて…。
縋るような…切羽詰まっているような気がして…答えた…。
「そんなの……花蓮に決まっているでしょう…」
聞いた瞬間、大河の青みがかった涼やかな目が大きく見開かれ、形の良い唇がへの字になり、端正な顔が歪んだ。
なんでそんなに悲しそうな顔をするの…?
大河が花蓮を好きな事なんて、小さい頃から知っている。
だって子供の頃から大河は花蓮と私を、わかりやすく差別してきた。
忘れられない誕生日プレゼント…。
花蓮には大輪の薔薇の花束、私には芋虫のついたコスモス。
自分だって学食で、花蓮は昔から自分のものだから手を出すなって、友人達を牽制していたじゃない。
私もその場面、見たし…。
大河はわかりやすくアピールしていたと思うのに、なかなか2人は付き合わなかった。
私と違ってモテる花蓮には過去何人か彼氏がいたし、ちゃんと本人に告白していないのかと不思議に思っていたけれど…。
私には関係ないし、万が一…2人が結婚する事にでもなって、私の事を『双子の残念な方』と呼ぶ意地悪男が私の義弟になったら最悪だから、知らないふりをずっとし通してきた。
なのに…なんでこんな不思議な状況で、そんなわかりきった事を今更訊くの?
?で頭がいっぱいになったけれど、まずは状況把握だ。