極上御曹司のヘタレな盲愛
「先ほども言いましたが、あなたは歩道橋の階段から落ちて、この病院に運ばれました。
落ちる際にできた擦過傷、打撲傷は数カ所ありましたが、幸い下にいた方に受け止められて一番下まで落ちる事なく済んだので、検査の結果、骨折や内臓の損傷は見られませんでした。
しかしどうやら階段の手すりに頭を強くぶつけたようで、左側頭部に裂傷がありましたので縫わせていただきました。
頭部も勿論検査しましたが脳の損傷は見られませんでした。
が……脳というものは繊細でしてね…。
似鳥さん、落ち着いて聞いて下さい。
今日は9月12日です。
あなたがこちらに運ばれたのが8月10日の夜ですので、あなたは約1ヶ月の間…ずっと目を覚ますことなく眠っていました…。
そして……今わかったのですが、どうやら8月10日より前の1週間から2週間くらいの記憶が、失われているのではないかと思われます…」
「……は?」
9月…?
最初は言われている事がよくわからずポカンとしていたが…。
現状を理解するにつれ、医師の顔を見つめたまま体が震えだした。
震えている私の手を大きな手がギュッと包んだ。
思わず天敵だという事も忘れて…大河に縋ってしまう。
「ねぇ大河…本当⁉︎…もう9月って本当なの⁉︎」
「ああ…本当だ…」
大河が私の頭を撫でながら優しく言う。
「そんな…。なんだか…夢を見ているみたい…でも…夢じゃないのよね…?」
大河に頭を撫でられている事にも気づかないくらい動転していた。
「ああ…夢じゃない…」
1ヶ月も眠っていたなんて!
しかも、その前の2週間くらいの記憶が無いなんて!
ドラマじゃあるまいし、まさか自分の身にそんな事が降りかかるなんて思いもしなかった。
「ええっ…夏休みも…知らない間に終わっちゃったの…?」
呆然とする私に…医師は、失った記憶はそのうち戻る事もあるが、戻らない事もあると告げ、明日また詳しく検査をしてみましょうと言った。
医師が看護師にいくつかの指示をし、大河と連れ立って部屋を出て行った後、看護師が処置をしてくれて、トイレが自力で行ける事などを確認されて点滴が外された。
落ちる際にできた擦過傷、打撲傷は数カ所ありましたが、幸い下にいた方に受け止められて一番下まで落ちる事なく済んだので、検査の結果、骨折や内臓の損傷は見られませんでした。
しかしどうやら階段の手すりに頭を強くぶつけたようで、左側頭部に裂傷がありましたので縫わせていただきました。
頭部も勿論検査しましたが脳の損傷は見られませんでした。
が……脳というものは繊細でしてね…。
似鳥さん、落ち着いて聞いて下さい。
今日は9月12日です。
あなたがこちらに運ばれたのが8月10日の夜ですので、あなたは約1ヶ月の間…ずっと目を覚ますことなく眠っていました…。
そして……今わかったのですが、どうやら8月10日より前の1週間から2週間くらいの記憶が、失われているのではないかと思われます…」
「……は?」
9月…?
最初は言われている事がよくわからずポカンとしていたが…。
現状を理解するにつれ、医師の顔を見つめたまま体が震えだした。
震えている私の手を大きな手がギュッと包んだ。
思わず天敵だという事も忘れて…大河に縋ってしまう。
「ねぇ大河…本当⁉︎…もう9月って本当なの⁉︎」
「ああ…本当だ…」
大河が私の頭を撫でながら優しく言う。
「そんな…。なんだか…夢を見ているみたい…でも…夢じゃないのよね…?」
大河に頭を撫でられている事にも気づかないくらい動転していた。
「ああ…夢じゃない…」
1ヶ月も眠っていたなんて!
しかも、その前の2週間くらいの記憶が無いなんて!
ドラマじゃあるまいし、まさか自分の身にそんな事が降りかかるなんて思いもしなかった。
「ええっ…夏休みも…知らない間に終わっちゃったの…?」
呆然とする私に…医師は、失った記憶はそのうち戻る事もあるが、戻らない事もあると告げ、明日また詳しく検査をしてみましょうと言った。
医師が看護師にいくつかの指示をし、大河と連れ立って部屋を出て行った後、看護師が処置をしてくれて、トイレが自力で行ける事などを確認されて点滴が外された。