極上御曹司のヘタレな盲愛
「そんな吹奏楽部の双子なんて、存在すら知らねぇよ。
いいか?よく聞け!
俺はあの時まで、お前たち双子の姉と妹を間違えていたんだよ…。
でっかい花蓮が姉で、ちっこいお前が妹だと子供の頃からずっと思ってたんだ」
「……?」
私は訳がわからず、ポカンとした顔で大河を見つめる…。
「相変わらず、超鈍感だな!どれだけお前の中で想定外なんだよ!
あの時言っていた双子の妹って、お前の事を言っていたんだ…」
「……は……?」
何?…いったい何を言って…。
「だ・か・ら!俺が子供の頃からずっと好きな女は…桃、お前なんだって!
花蓮でも、吹奏楽部の美人の双子とやらでも、他の誰でもない。
物心ついた頃から、今もずっと…俺はお前の事が好きで好きで…欲しくて欲しくてたまらない…。
ついでに言っておくが、俺はお前の事を『双子の残念な方』だとか、言った事も思った事も一切無いからな…。嘘だと思うなら、光輝や悠太に確認すればいい。
あれは全部、斎藤紫織のでっち上げだ。
俺は、子供の頃からずっとお前の事が好きなんだよ。だから、そんな事を言ったり思ったりするわけがない…」
「大河が…私の事を…好き…?そんな…。
だって…大河はいつでも私だけに意地悪で…。
私の事を嫌いじゃなかったの?
『双子の残念な方』って言ったことない…って。
え…?あの斎藤さん?受付チームの?」
「そう…あの女…。学生時代から桃にずっと嫌がらせばかりしていただろう?」
「それはそうだけど…。でもやっぱり、大河が私の事を好きだなんて…信じられない…」
激しく困惑する私は、首を左右に何度も振った。
「『残念な方』って言ってないっていうのは…ひとまず…わかったけど…。でも大河は子供の頃からずっと私に…私だけに意地悪だったじゃない!
ううん!今でも意地悪よ!この間だって!」
「この間?」
「5月の創業記念のパーティーでも、私に憎らしい事を言ってきたよね!
『前に出たくないって言うんだったら別に出なくてもいいんじゃねぇの?わざわざ大勢の前で、花蓮と比べられたくないんだろう。ホント昔からビビリで捻くれてイジケてる所、全然変わんねぇな』とか!
『お前の不満タラタラの膨れっ面なんて、誰も見たくないんだから、前になんて行かなくてもいいんだよ』とか!
『ガキの頃から何かっちゃ、悠太に庇ってもらって、お前って全然成長しないのな』とか!」
大河の意地悪な口調を真似て言うと、大河は額に手を当ててゴシゴシさすりながら呟いた。
「あー〜。大事な事はすっかり忘れてんのに、余計な事は本当によく覚えてやがんのな…」
大河は私の方に向き直ると、私の目をじっと見て言った。
「あれは…さ…。あんなに社員が大勢いる場所で…ドレスで着飾ってちゃんと化粧をして前に出て行ったりしたら…。他にもいっぱい、お前の可愛さに気づく奴が出てくるじゃないか…。
ただでさえ、社内でお前の事を密かに思っている奴も少なからずいるっていうのに…。
社長の娘だから…迂闊には手を出せないってみんな躊躇しているんだ…。その箍が外れてお前に告白とかしてくる奴が出てきたらどうするんだ!…実際、外れたヤツもいたしな…。
だから…桃は前になんて出なくていいって事なんだよ。
そんなのは花蓮にでも任せておけばいい。アイツなら適当にあしらうだろうさ。
悠太の事は…お前がいつも悠太の事ばっかり頼るからさ…。まぁ…嫉妬からの八つ当たりって言うか…。…本当に…ごめんな…」
いいか?よく聞け!
俺はあの時まで、お前たち双子の姉と妹を間違えていたんだよ…。
でっかい花蓮が姉で、ちっこいお前が妹だと子供の頃からずっと思ってたんだ」
「……?」
私は訳がわからず、ポカンとした顔で大河を見つめる…。
「相変わらず、超鈍感だな!どれだけお前の中で想定外なんだよ!
あの時言っていた双子の妹って、お前の事を言っていたんだ…」
「……は……?」
何?…いったい何を言って…。
「だ・か・ら!俺が子供の頃からずっと好きな女は…桃、お前なんだって!
花蓮でも、吹奏楽部の美人の双子とやらでも、他の誰でもない。
物心ついた頃から、今もずっと…俺はお前の事が好きで好きで…欲しくて欲しくてたまらない…。
ついでに言っておくが、俺はお前の事を『双子の残念な方』だとか、言った事も思った事も一切無いからな…。嘘だと思うなら、光輝や悠太に確認すればいい。
あれは全部、斎藤紫織のでっち上げだ。
俺は、子供の頃からずっとお前の事が好きなんだよ。だから、そんな事を言ったり思ったりするわけがない…」
「大河が…私の事を…好き…?そんな…。
だって…大河はいつでも私だけに意地悪で…。
私の事を嫌いじゃなかったの?
『双子の残念な方』って言ったことない…って。
え…?あの斎藤さん?受付チームの?」
「そう…あの女…。学生時代から桃にずっと嫌がらせばかりしていただろう?」
「それはそうだけど…。でもやっぱり、大河が私の事を好きだなんて…信じられない…」
激しく困惑する私は、首を左右に何度も振った。
「『残念な方』って言ってないっていうのは…ひとまず…わかったけど…。でも大河は子供の頃からずっと私に…私だけに意地悪だったじゃない!
ううん!今でも意地悪よ!この間だって!」
「この間?」
「5月の創業記念のパーティーでも、私に憎らしい事を言ってきたよね!
『前に出たくないって言うんだったら別に出なくてもいいんじゃねぇの?わざわざ大勢の前で、花蓮と比べられたくないんだろう。ホント昔からビビリで捻くれてイジケてる所、全然変わんねぇな』とか!
『お前の不満タラタラの膨れっ面なんて、誰も見たくないんだから、前になんて行かなくてもいいんだよ』とか!
『ガキの頃から何かっちゃ、悠太に庇ってもらって、お前って全然成長しないのな』とか!」
大河の意地悪な口調を真似て言うと、大河は額に手を当ててゴシゴシさすりながら呟いた。
「あー〜。大事な事はすっかり忘れてんのに、余計な事は本当によく覚えてやがんのな…」
大河は私の方に向き直ると、私の目をじっと見て言った。
「あれは…さ…。あんなに社員が大勢いる場所で…ドレスで着飾ってちゃんと化粧をして前に出て行ったりしたら…。他にもいっぱい、お前の可愛さに気づく奴が出てくるじゃないか…。
ただでさえ、社内でお前の事を密かに思っている奴も少なからずいるっていうのに…。
社長の娘だから…迂闊には手を出せないってみんな躊躇しているんだ…。その箍が外れてお前に告白とかしてくる奴が出てきたらどうするんだ!…実際、外れたヤツもいたしな…。
だから…桃は前になんて出なくていいって事なんだよ。
そんなのは花蓮にでも任せておけばいい。アイツなら適当にあしらうだろうさ。
悠太の事は…お前がいつも悠太の事ばっかり頼るからさ…。まぁ…嫉妬からの八つ当たりって言うか…。…本当に…ごめんな…」