極上御曹司のヘタレな盲愛
困惑する私に、横から大河が言う。
「なんだよ。味噌汁とサラダだけって…。入院して痩せたんだから、もっとちゃんと食えって昨日も言っただろ?」
「だって…退院してからなんだか食欲が無くって…。ずっと眠ったままで固形食を食べていなかったから、胃が小ちゃくなっちゃったんだと思うんだよね…」
と言いつつ、痩せたと言われて少しニヤついてしまいながら、お味噌汁を一口飲む。
退院したら、記憶をなくす前の体重より2キロ減ってたんだよね。嬉しい!
「痩せたって言われて嬉しそうにしてんじゃねぇよ。筋肉が減っただけだろう。
…ったく…これ以上痩せるな!ちゃんと食え!じゃないと…俺の大事な桃が減るだろうが…」
そう言うと…横から手を伸ばして私の髪を優しく撫でて…!
私の頭を軽く引き寄せると、顳顬にチュッと…軽くキスをした…!
「!」
ここは昼休みの社食!大勢の社員がいるのよ!
こんなとこでなんて事を言うのよ!そして、なんて事をするのよっ!
驚いて、ゴクンと飲んだお味噌汁のワカメが喉に張りついてしまい「ゴホゴホ」とむせた。
真っ赤になってむせる私の背中をさすろうと、大河の手と、横の恵利ちゃんの手がぶつかって「シャーッ」と、どっちがさするかで猫の喧嘩みたくなっていた。
な…なんなの?これ…。
会社でも…こんなに容赦なく甘いの?
美波先輩が渡してくれたお茶を飲んで、ようやくむせるのが治って涙目で見ると、美波先輩と悠太はクスクスと笑っていて…。
光輝は額に手を当てて「馬鹿ップルめ…」と呟いていた。
馬鹿ップルって…酷い!
私は何も言ってないし、してない!
しかもっ!
美波先輩と恵利ちゃんに、まだ大河と付き合い始めた事を言えてないのに!
アワアワする私に、美波先輩が小声で言う。
「大丈夫よ。桃ちゃんが眠っている間に、水島課長からは、桃ちゃんの事を子供の頃からどれだけ好きなのか、散々聞かされたもの…ね、恵利ちゃん」
「はい、お見舞いに行った時に散々聞かされました。それはもうたっぷりとお腹いっぱいってくらいに…」
「そ…そうなんだ…」
もう!大河ってば!何を言っているのよ…恥ずかしいっ!
赤い顔をして大河を横目で睨むも、当人は涼しい顔で唐揚げ定食を食べ始めている。
「なんだよ、唐揚げ一つ欲しいのか?」
と訊いてくるので、慌てて首を横に振った。
あ…でも美波先輩と恵利ちゃんは、眠り続ける私のお見舞いに来てくれた時に、光輝や大河と仲良くなったのかな?
何度もお見舞いに来てくれてたって、悠太も病室で言っていたし…。
そういう事かぁ…と納得する。
「あの…という事で…私、実は…この人と付き合うことになりました…」
小さな声で大河を指差して、美波先輩と恵利ちゃんに報告すると、2人ともウンウンと笑いながら頷いて…。
大河の方をそっと見上げると、その口元は…満足そうに綺麗な弧を描いていた。
「なんだよ。味噌汁とサラダだけって…。入院して痩せたんだから、もっとちゃんと食えって昨日も言っただろ?」
「だって…退院してからなんだか食欲が無くって…。ずっと眠ったままで固形食を食べていなかったから、胃が小ちゃくなっちゃったんだと思うんだよね…」
と言いつつ、痩せたと言われて少しニヤついてしまいながら、お味噌汁を一口飲む。
退院したら、記憶をなくす前の体重より2キロ減ってたんだよね。嬉しい!
「痩せたって言われて嬉しそうにしてんじゃねぇよ。筋肉が減っただけだろう。
…ったく…これ以上痩せるな!ちゃんと食え!じゃないと…俺の大事な桃が減るだろうが…」
そう言うと…横から手を伸ばして私の髪を優しく撫でて…!
私の頭を軽く引き寄せると、顳顬にチュッと…軽くキスをした…!
「!」
ここは昼休みの社食!大勢の社員がいるのよ!
こんなとこでなんて事を言うのよ!そして、なんて事をするのよっ!
驚いて、ゴクンと飲んだお味噌汁のワカメが喉に張りついてしまい「ゴホゴホ」とむせた。
真っ赤になってむせる私の背中をさすろうと、大河の手と、横の恵利ちゃんの手がぶつかって「シャーッ」と、どっちがさするかで猫の喧嘩みたくなっていた。
な…なんなの?これ…。
会社でも…こんなに容赦なく甘いの?
美波先輩が渡してくれたお茶を飲んで、ようやくむせるのが治って涙目で見ると、美波先輩と悠太はクスクスと笑っていて…。
光輝は額に手を当てて「馬鹿ップルめ…」と呟いていた。
馬鹿ップルって…酷い!
私は何も言ってないし、してない!
しかもっ!
美波先輩と恵利ちゃんに、まだ大河と付き合い始めた事を言えてないのに!
アワアワする私に、美波先輩が小声で言う。
「大丈夫よ。桃ちゃんが眠っている間に、水島課長からは、桃ちゃんの事を子供の頃からどれだけ好きなのか、散々聞かされたもの…ね、恵利ちゃん」
「はい、お見舞いに行った時に散々聞かされました。それはもうたっぷりとお腹いっぱいってくらいに…」
「そ…そうなんだ…」
もう!大河ってば!何を言っているのよ…恥ずかしいっ!
赤い顔をして大河を横目で睨むも、当人は涼しい顔で唐揚げ定食を食べ始めている。
「なんだよ、唐揚げ一つ欲しいのか?」
と訊いてくるので、慌てて首を横に振った。
あ…でも美波先輩と恵利ちゃんは、眠り続ける私のお見舞いに来てくれた時に、光輝や大河と仲良くなったのかな?
何度もお見舞いに来てくれてたって、悠太も病室で言っていたし…。
そういう事かぁ…と納得する。
「あの…という事で…私、実は…この人と付き合うことになりました…」
小さな声で大河を指差して、美波先輩と恵利ちゃんに報告すると、2人ともウンウンと笑いながら頷いて…。
大河の方をそっと見上げると、その口元は…満足そうに綺麗な弧を描いていた。